からだの緊張の緩和やリラックス効果がある温泉、日本人ならみんな大好きですよね。
でも、妊娠中の温泉入浴はどうなんだろう?入っても大丈夫なのか気になるところです。
日産婦医会報には「妊娠中の温泉入浴は、赤ちゃんにも母体にも影響は認められない」と記載されていました。
旅行好きの私も長男を妊娠中の4か月頃、体調もよかったので「温泉旅行に行きたいねー」とオットと話しになりました。
でも、不安だったので、健診時に主治医に相談してみました。
すると「どこでもいってらっしゃい」と答えが返ってきたので、拍子抜けしたのを覚えています。
妊娠中のつらい肩こりや腰痛に冷え。
温泉入浴がOKなら、疲労回復&リラックス効果も期待できますね。
でも、温泉入浴してもいいといわれても、妊婦中の身重のからだ、注意は必要です。
どのようなことに気をつけたら、安心・安全な温泉旅行ができるのでしょうか?
ここでは、妊婦さんが安心して楽しく温泉旅行を楽しむために、妊娠中の温泉旅行で考えられるリスクと対処法をご紹介します。
目次
妊婦さんの温泉旅行は安定期がおすすめ
温泉旅行に適した周期は、妊娠中期(妊娠5~7ヶ月)の安定期がよいとされています。
体調が良ければ、妊娠4~8ヶ月でも大丈夫なようです。
妊娠初期(妊娠2~4ヶ月)の状況とリスク
この時期の母体は、血圧の変動やつわりなどで、とても辛い状態です。
からだが安定していない時の温泉旅行は、流産や出血の危険性が伴います。
妊娠後期(8~10ヶ月)の状況とリスク
お腹が大きくなり、足元が見えづらい、また身体のバランスがとりにくくなっているこの時期、温泉浴場は、泉質により床がすべりやすくなっていて、転倒する危険があります。
早産や破水を起こしては大変です。
万全な出産に備え、この時期は控えることをおすすめします。
事前の準備

主治医に相談
妊娠の経過状況は人によって異なります。
まずは主治医に相談してみましょう。
母体の状態に合った、適切なアドバイスをもらいましょう。
主治医にも、行き先を知らせ、お医者さんネットワークの利用が可能か確認しましょう。
無理なようなら、自力で現地の産婦人科を調べましょう。
母体の安全の確保ができたら、とても安心できますよね。
旅行当日は、母子手帳と健康保険証は、必ず持参しましょう。
宿泊先
ここで気をつけたいのは、宿側の受け入れが可能か?の確認となります。
理由として、温泉法、2014年に改訂された「妊娠中(初期と後期)は一般的禁忌症」です。
温泉法から削除されたといっても、宿によっては、いまだに妊婦の受け入れを認めていないところも存在します。
お互い不快な思いをしないためにも、事前に確認しておきましょう。
マタニティプラン
出産前の思い出づくりとして、マタニティフォトの撮影場所設置や快眠グッズ準備、妊婦さんを気遣った安心の充実サービス温泉旅行・マタ旅(マタニティプラン)もありますよね。
マタニティプランが充実してる宿として有名なのは、
「草津温泉」「箱根温泉」。
宿泊客のニーズに対応した多様なプランを提供しているようです。
他の温泉地よりマタニティプランは充実している温泉旅館が多いようです。
妊婦に安全な泉質と効能
妊婦さんにおすすめなのは、単純温泉(アルカリ性単純温泉)です。
とても肌に優しい 別名「美肌の湯」です。
- 特徴…単純泉は、「家族の湯」、子供、高齢者でも安心して入浴できる。
- 効能…疲労回復・ストレス解消・病後回復・健康増進と鎮痛効果がある。
他の泉質の特徴と注意点
- 酸性温泉
酸性度の高い温泉で「皮膚病の湯」(殺菌の湯)と呼ばれています。
【注意点】抵抗力が弱っている妊婦さんには、肌に与える刺激が強い。湿疹が出る可能性もあります。 - 放射能泉
微量のラジウム、ラドン等の放射性同位体が含まれている。
【注意点】胎児への影響はないとされていますが、ピリつくような肌への刺激はあります。 - 硫黄温泉
動脈硬化、高血圧、高血糖など「生活習慣病の湯」と呼ばれています
【注意点】漫性皮膚症に良いとされていますが、皮膚や粘膜の過敏な人には向いていません。また、泉質の濁りで足元が見えづらく、転倒のリスクがあります - 塩化物泉
塩分の殺菌効果、ゆざめしにくい「湯まりの湯」「傷の湯」と呼ばれています。
【注意点】皮膚の抵抗力の衰えている人は、湯ただれを起こす可能性があります。
妊娠により、皮膚はとても敏感になっています。
泉質のNGはありませんでしたが、極力肌に負担のない泉質を選ぶことをおすすめします。
移動
妊娠中の車の移動は、からだに負担がかかります。
長時間、車内での同じ姿勢は、お腹の圧迫と腰への負担、また足のむくみなど、エコノミー症候群状態です。
妊娠時の移動時間の目安としては、1~2時間が良いとされています。
近場の移動でも、こまめな休憩で、からだへの負担を軽減させましょう。
遠方への移動は、からだの負担が多くなるのでおすすめできません。
食事
温泉旅行の楽しみの一つに、食事があります。
しかし、妊娠中は食事にも気を遣わなくてはいけません。
妊娠中は避けた方が良い食品として、アルコール、カフェインを含む飲み物、魚介類、生卵、生肉、辛い味付けのメニュー、揚げものがあります。
特に生ものは避けた方が良いようです。
食中毒を起こした場合、烈しい下痢やおう吐で、お腹が圧迫され、子宮の収縮により、流産や早産の危険が伴うからです。
温泉たまごも、半熟なので注意が必要です。
鮮度の目安時間は、調理後2時間だそうです。
こちらも安全のためには、避けた方が良い食材ですね。
また、空腹時の入浴は、貧血を起こす可能性があります。
空腹時と食後(1時間)の入浴は、控えたほうが良いようです。
入浴時の注意点

ひとり入浴の危険性
温泉浴場(大浴場)は、泉質によりとても滑りやすくなっています。
転倒するリスクもあるので、付き添いの人がいない場合は、部屋風呂での入浴をおすすめします。
水分補給
妊娠中は血液量が多くなり、羊水を作るためにも水分が必要になります。
一日の水分摂取量は、2リットルといわれています。
入浴で発汗した分、水分補給をしましょう。
温度
お湯の温度は42℃~40℃が、からだの疲れをとり、リラックス効果につながるようです。
温泉に浸かると、血行が良くなり、肩こりや腰痛など筋肉の緊張を緩め、痛みを緩和してくれます。
せっかく温泉に来たのだから、ゆっくりのんびり入浴したいでしょうが、長時間の入浴は厳禁です。
ぬるめの温度でも、長時間入浴すると、血管が広がり血圧が下がる恐れがあるからです。
また、半身浴でも、めまいや脳貧血になる可能性があります。
入浴時間は10分が理想とされています。
入浴後は、湯ざめに気をつけましょう。
マタニティパジャマを持参することをおすすめします。
感染症
温泉の入浴で、膣内や子宮内感染をおこす心配に対して調べてみると、
温泉に入浴することが、外陰・膣及び子宮の感染を助長するとは言われていない。
温泉浴そのものが感染の原因になることはないと考えられている。引用:日産婦医会報
とありました。
温泉に入浴したからといって、菌に感染することはないようですね。
安心しました。
しかし、共同浴場での椅子などは、注意が必要です。
宿側も衛生面対策を取っているでしょうが、妊娠中は抵抗力が衰えています。
直には使用しないようにしましょう。
対処法として、椅子を利用する場合は、持参のタオルを敷くことをおすすめします。
また、共同浴場での一部の感染についての可能性として「毛じらみ」があります。
この感染ルートとしては、脱衣場の可能性があるようですので、注意しましょう。
\出産前の思い出作りに/
まとめ
- 妊娠中の温泉入浴は、胎児にも母体にも影響しない。
- 温泉旅行は安定期中が一番からだに負担が少ない。
【事前の準備】
- 事前に主治医に相談、旅先近くの産婦人科も確認しておく。当日は母子手帳と健康保険証を忘れずに。
- マタニティプランを扱っている宿がおすすめ。
- 弱った肌には、刺激の少ない美肌の湯・単純温泉がおすすめ。
- 近場の移動でも、こまめな休憩でエコノミー症候群対策を。
【入浴時の注意】
- 部屋風呂の利用で転倒対策
- 入浴後はこまめな水分補給を忘れずに。マタニティパジャマも持参を。
- 長風呂はめまいや脳貧血に危険性につながるので注意
- 温泉での感染症の心配は少ないが、念のため、共同浴場では椅子などに注意いする。
妊娠中は何をするにも規制がかかります。
出産を控えた大事なからだ、注意するに越したことはありませんよね。
温泉旅行に行く場合も、しっかり事前に準備をして、無理をせず、自分の体調を見ながらゆっくり楽しむようにしましょう。
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